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お金のむこうに人がいる レビュー
「お金のむこうに人がいる」のレビューです。
ゴールドマンサックスで働いてきた経歴を持つ著者。
純粋に経済を突き詰めて考えたときに見えてきたのは、お金ではなく「人」。
ということで、本書では経済の根っこに人を見つめつつ進んでいきます。
紙幣そのものに価値はない、というよく考えると当たり前の話から始まる第1話。
お金ってそもそも何なのか、どうして価値を持つようになったのか。
いつ円の流通が加速したのか。
お金が価値をもつ過程を分かりやすく伝えてくれるのが第1話です。
食べ放題で元は取れない、ということを例題として、全てのモノは労働によって作られている、ということを理解しやすく書いてくれています。
使う時の価値と、売るときの価値についての話。
どんなに高価な品物が手に入ったとしても、自分自身にとって満足度が低ければあまり価値を感じない・・・。
どれだけ高価なジャケットを買ったとしても、やっぱり色が気に入らなかったり、シルエットが好きではないと、徐々に着ることから疎遠になっていきます。
お金を無駄にした・・・という気持ちだけが残ってしまうかもしれません。
大切なのは、自分がどれだけ満足したかということになります。
労働、人の存在を軸として、経済について知見を深めていくことができます。
社会の財布には外側が存在しない、とはどういうことなのでしょうか。
誰かの財布から出ていったお金は、誰かの財布の中に入ります。
サービスを売る人、モノを売る人。
また預金を増やすには借金をするしかない、ということが事例とともに述べられています。
著者の事例はとても分かりやすく、大人だけではなく中学生、高校生にもおすすめと思います。
お金を印刷し過ぎるから、モノの価格が上がるのだろうか?
なぜ、大量に借金しても潰れない国があるのか?
政府の借金の謎とはなんなのか?
未来ために、お金を増やす意味はあるのか?
など、とても興味深く読める内容となっています。
文章がとても分かりやすく、本質を書いているなと感じます。
分かり易い文章を書きたいときの参考にもしたいと思う一冊です。
お金の向こうに人がいる、ということを、とことん考えて本質を突き詰めて書かれたとても参考になる本と思います。
おすすめです。