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苦しかったときの話をしようか レビュー
森岡毅氏の著書、「苦しかったときの話をしようか」です。
ビジネスマンの父がわが子のために書きためた働くことの本質。
「やりたいことが分からない」
というのは、若者に共通していえることなのかもしれません。
私自身も大学生の頃、将来やりたいことなんて全く見えませんでした。
どんな仕事に就きたいか、というと、
「楽で稼げる仕事」
なんて思い浮かべる始末です。
それか好きなことを仕事にしたい。
じゃあ、仕事にしたいくらい好きなことはあるの?と言われると、そこまでのものは無い・・・
本書はまず、「やりたいことが分からないのはなぜか」というところからスタートします。
その後、読み進めていき、特に印象に残ったところをメモしていこうと思います。
「会社と結婚するな、職能と結婚せよ!」
どんな会社も10年後、20年後は分からない。
スキル(職能)こそが相対的に最も維持可能な個人財産である。
「君の年収を決める法則」
職能の価値、所属する業界の構造、成功度合いによる違い。
どの職能を念頭にどの業界のどの会社に就職するかを選んだ辞典で、将来における年収はほぼ自動的に決まっている、ということ。
就活も転職も、最大限に追求すべきは自分自身の成功確率を最大化すること。
それには自分にとっての成功を定義づける目的を明確にすることが必要。
学生時代にこうしたことを考えるのは、なかなか難しいかもしれないです。
ただ、それも自己分析がしっかりできていれば、何らかの光明が見えてくるのかもしれません。
その後は資本家側に回るための方法が記されています。
投資と投機の違い。
少しずつであっても、投資を続けていくことは大切だなと思います。
キャリア戦略について。
仮説で良いからたてることが大切。
実際、未来のことは分からないし、不確定要素も多いもの。
どんな自分になりたいかなんて、明確になっている必要はないし明確にできないですよね。
だから、大きな方向性を見つけて目指していくことが大切。
また自分の強みを見つけることも大切。
そのための方法も記されています。
なぜ人は面接で緊張するのか。
緊張しないためには自分のブランドを構築すること。
本書の後半では森本氏のP&G時代、仕事に大きなストレスがかかっていた時代のことが記されています。
想像以上に修羅場を経験されてきたことが分かります。
そうした時代を経験しているからこそ、今につながっているのだと思いますが、そこで潰れてしまう人も多いのでしょうね。
すごいと思いました。